モダンアート屋久杉 世界遺産屋久杉製美術品の通販 モダンアート屋久杉

知って得する悲泣(ひきゅう)のすすめ

知って得する悲泣(ひきゅう)のすすめ

 悲泣のすすめとは、我慢したり耐えたりせずに悲しみに打ちひしがれて泣くことです。

 

 私は壊れた心を支える言葉を探し続けました。哲学や社会学、心理学など読んだ本は多岐に渡ります。古今東西の名言にも触れてきました。でも、見つからないのです。自分の心を支える言葉が。私が行きついた果てには宗教が待っていました。私は様々な宗教の本を読みました。希死想念から回復期にかけて、私が手に取ったのは哲学書でもなく心理学の本でもありませんでした。初期仏教の本だったのです。

 私は、仏教徒ではございません。されど、私が惹かれたのはブッダでした。ブッダの生き様と「問い」と「教え」でした。私は初期仏教に関する様々な書物や文献を読み続けました。すると、あることに気付くのです。ブッダ自身も悲泣のすすめを説いているのです。そして、初期仏教に書かれている内容や表現に違いはありますが、厳然としてあるのは、ブッダが最大のテーマが実にシンプルだったのです。

 

 その最大のテーマとは、

 

『人間とは、いかなる存在で、どのように生きていくべきか。』
これに極まる。

 ブッダの「問い」は、常にあなたは①どんな存在でありたいですか?しからば、②どのように生きてゆくべきですか?この2点のみ。

 私自身が泣き叫び、苦しむのは、①で大きくつまずいているからです。
「どんな存在でありたいのか?」そこから既に大きくかけ離れたところにいるから、泣き叫びたいのです。

 大学院でカウンセリング理論を学び、公的研究機関でカウンセリングをした経験も、延髄梗塞後に発症した中枢性疼痛により、右顔面が八つ裂きに切り刻まれ、左下肢が煉獄の炎に包まれると、その知識や経験は何の役にも立ちませんでした。

 体の痛みの前で、人間は無力です。どんなに強がって生きようと思っても、どんなにドライに生きようと思っても、私が人間である以上、ブッダが唱えたように「生苦」と「病苦」から逃れられはしないのです。

 この厳然たる事実が私を変えました。「いつまでも悩むな。」、「悩み過ぎではないのか。」とよく人様から言われます。しかし、私に言わせれば、「それで切り替えられないところに悩みの本質があるんじゃねぇか。」
「その程度の言葉で片付けられないところに悩みの本質があるんじゃねぇか。」となります。

「私は、こうなりたくて、なったんじゃない。」「こうなりたくて、なったんじゃない。」という事実は、悩みは自分が天から課せられたようなものであって、自分が自分の内側から内発的に創り出せるような代物(しろもの)ではないような気がするのです。

 悩みは、天から降ってくる雨のように、自分に降りかかってくるものです。悩みは、天から降ってくる雨です。自分の立ち位置に降りかかってくるものです。だから、自分はその雨を引き受けることなのです。

 激しい痛みを受容できるはずがない。でも、私は、自分の傍に「引き受ける」ことならできる。

🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻

 

 「源氏物語」を研究し「古事記伝」を執筆した国学の巨人、本居宣長はこう述べています。

「人は生きている限り悲しい目に遭う存在である。」悲しいときにどうするか?

この「問い」に対して、本居宣長は、「悲しみから目をそらさずに、うんと悲しめ。」
と言うのです。

「悲しいものは、悲しいと思え。」「悲しいと呟(つぶや)け。」「人にそれを語れ。」「歌に歌え。」
と言うのです。それはなぜか?

 悲しみを心の中に閉じ込めたとしても、悲しみはなくならないことを宣長は、熟知していたのです。悲しみから目をそらさず、大いに悲しめと言うのです。悲しいものは、悲しい。それを呟き、人に語り、歌に歌いなさいと。

 そうすることによって、自分の中の悲しみを引きはがし客体化することができる。自分の中の悲しみを遠くにやることによって眺めることができる。悲しみはそうやって乗り越えるものだと。認知心理学や精神医学、脳神経細胞学、脳科学の研究によって、涙には、脳内に蓄積されたストレスホルモンのコルチゾールを洗い流す作用があることが明らかにされています。だからひとしきり泣いた後はすっきりするのです。体がそれをちゃんと教えてくれるのです。

 

 この考え方は、カウンセリング理論で説明するとで紹介した「外在化」の考え方と同じなのです。つまり、自分の不適切な感情や自分に害をなす感情を自分から外部へ引きはがし、外に存在し、客観視(客観的に観る)するという考え方です。

 いみじくも、ブッダと同じことを言っています。

「人は生きている限り悲しい目に遭う存在である。」

 ブッダはこう言います。
「 そうかぁ〜、お前は悲しいのか、ではその現実を直視して大いに悲しめば良い。」
「お前は泣きたいのか、ではその現実を直視して大いに泣けば良い。 」

 生きていくこと自体が「苦」であり、病をもつこと自体が「苦」である。人は、四苦八苦から誰も逃れられはしない。

 私が泣き叫ぶのは、ただ泣き叫ぶのではないのです。
「どんな存在でありたいのか」 という思いが根底にあるからです。この「どんな存在でありたいか」という思念と「現実の自分の姿」があまりにもかけ離れているから悲しいのです。ゆえに、泣きたい時には、現実を直視して大いに泣けば良いと思うのです。

 なみだは
人間のつくる
いちばん小さな海なんだそうです。

 うつ伏せになって泣いてもいいのです。
ひざまずいて泣いてもいいのです。

 耐えて、耐えて、耐え続けて、
泣きたい時に、泣けなかったから泣くのです。
うんと「なみだ」を流せば、もとの自分に戻る。

 だから「涙」って書くんです。
そして、「涙のあとに立ち上がる」

 だから「泣く」って書くんです。
流した涙のぶんだけ、心は落ち着きを取り戻します。

 泣きたいときは、泣いたほうがいい。泣いて、少しでも悲しみにあふれた心を解き放した方がいい。そうすれば、人生に深みと味わいが出てくる。そして、人の心の痛みが見えてくる。だから、悲泣した方が良い。正々堂々と泣いた方が良い。その方が人としての成熟を促してきたではないか。

 私は「病苦」を背負うことでやっと気付きました。
「自分ひとりでは生きてゆけない。」

 「自我」というのは他者との関係の中でしか成立しないのです。 すなわち、私と他者とのつながりの中でしか、「私」というものはありえない。人と人は繋がっていなければならないのです。SNSの世界が仮想空間で、現実逃避しているという学者がいますが、そうではないと思うのです。SNSは厳然とした現実世界です。
喜怒哀楽を感じ、承認欲求を満たし、自己存在感を覚え、他者肯定感を与えるコニュニティーなのです。だからこそTwitterの世界の繋がりを大切にしたいと思うのです。

 「自我」の覚醒は、「私」という存在を外から眺める「景色」に他なりません。我、「病苦」を背負って初めてこのことを体感を伴って知る。

「自分ひとりでは生きてゆけない。」

 ゆえに、人の悲しみに寄り添える人間になるには、まず自分が悲泣することです。

 「自分の涙の重力を感じられぬ者に人の涙の重力が感じられるわけがない。」

そう思うのです。

 最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。感謝致します。

 

【追記】

 余談ですが、私が尊敬しているミュージシャンの一人にロックバンドU2の「ボノ」がいます。ボノはロックンロールの雑誌のインタビューの中で「肌の色を超え、人種を超えること。『人はそうなりたくてなったわけじゃない。なぜそんなことが分からないのか。』人は人との関係の中で育つ。だからこそ、肌の色を超え、人種を超えて繋がっていなければないのさ。僕が暗殺されたキング牧師の生き様を歌えば、必ず白人至上主義者達から暗殺の予告が山のように来る。僕はいつ暗殺されるか分からない。コンサートの中ではライフルで狙われたら即死だよ。でもねえ、キング牧師が命がけで各地を回り、差別や偏見が、本来清らかな魂を汚し、憎悪を生み出すことになると主張していたことは、人間の尊厳を守るために絶対必要なんだよ。僕は思うんだ、キング牧師は、各地で演説し始めていた頃から死を覚悟していたことを、キング牧師は死の行進をしてまで自分の理念を曲げなかった。キング牧師は涙を見せなかったが、いつも瞳は泣いていたのさ。それこそが、本当のプライドなのさ。だから、僕は歌うのさ、キング牧師の魂とプライドを受け継ぐ者として。ええぇ、いつ僕が殺されるかだって?そんなこと恐れていたら歌い続られるわけがないだろう?それが僕のプライドさ。」

 

歌詞の日本語訳は、インターネットサイトでお調べくださいね。

 

U2 – Pride (In The Name Of Love) (Live)

 

 

 

 

 

 

 

関連情報

世界遺産屋久杉の木工美術作品 Modern Art Yakusugi

モダンアート屋久杉 モダンアート屋久杉

伐採全面禁止から二十数年経ち、伐採以前の屋久杉は〇国による買占めで後5,6年で枯渇すると言われています。そのため、この機会のを逃すことなく、次の世代に引き継ぐために、世界遺産屋久杉と御神木の木工美術作品の所有者になりませんか?

屋号 釣り心研究所
住所 〒899-5241
鹿児島県姶良市加治木町木田1166-25
営業時間 10時~20時(土日祝除く、月1~2日程度通院のため臨時休業あり)
定休日 土日祝、月1~2日程度通院のため臨時休業あり
代表者名 乾 丈太
E-mail info@modern-art-yakusugi.com

コメントは受け付けていません。

特集

モダンアート屋久杉 世界遺産屋久杉製美術品の通販 モダンアート屋久杉

〒899-5241
鹿児島県姶良市加治木町木田1166-25

営業時間 / 10時~20時
(土日祝除く、月1~2日程度通院のため臨時休業あり)
定休日 / 土日祝、月1~2日程度通院のため臨時休業あり