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世界遺産屋久杉家内安全のお守りPretty Canvasとは -その4- 屋久杉の自然環境と歴史

世界遺産屋久杉家内安全のお守りPretty Canvasとは -その4- 屋久杉の自然環境と歴史

 

 今回のテーマは、世界遺産屋久杉家内安全のお守りPretty Canvasとは -その4- 屋久杉の自然環境と歴史についてです。世界遺産家内安全のお守りPretty Canvasを含め、世界遺産屋久杉の木工美術作品Modern Art Yakusugiのことについて正しく理解するためには、屋久杉の自然環境と歴史について知ることが重要です。したがって、ブログの前半に屋久杉の自然環境について述べ、後半に屋久杉の歴史について述べたいと思います。

 

世界遺産屋久杉家内安全のお守りPretty Canvasとは -その4- 屋久杉の自然環境

 

 屋久島は、標高2,000mに迫る山岳を有し、海岸付近の亜熱帯性植物から山頂付近の冷温帯ササ草原や高層湿原に及ぶ植生の典型的な垂直分布が見られる北半球の温帯地域では他にほとんど例のない生態系を有しています。また、年間降水量が8,000mを超える特殊な多雨環境に適応した渓流植物や着生植物を豊富に含む特殊な生態系を有しており、中でも樹齢1,000年を超える屋久杉の原生的な天然林がつくりだす世界的にも特異な景観が見られます。

 

 具体的には、屋久島の山岳部の降水量は、年間8,000mmから10,000mmとも推測されており、森林地帯の林内は高湿度に保たれていることから、森林植生においても林床の蘚苔類(せんたいるい)からヤクスギなどの樹木は苔むしている林相を呈しています(写真1)。

   写真1 白谷雲水峡

 

 ここで、着目したいのは、年間の降水量です。年間8,000mmから10,000mmという数字をさっと読み過ごしてしまいますが、改めて単位換算すると8,000mmは、800cm、つまり8mです。10,000mmは、1000cm、つまり10mなのです。私は数値をさっと読み過ごしてしまいがちですが、単位に換算すると、驚くべき程の降水量であることを再認識させられます。屋久杉の山岳地帯の年間降水量は、8mから10mあると推察されるわけです。これはまさに驚異的な数値であるといわざるを得ません。

 

 これほどの降水量の自然観の中で、屋久杉が生長できる秘密は、屋久杉の含む樹液の濃度にあるといわれています。一般的な杉を想起してみてください。私はソロキャンプ愛好家ですが、キャンプで杉の葉を燃やしたことがある人は分かると思います。屋久杉の枯れた葉は、火口に最適です。油分が多いために、葉が枯れても油分が残り、火をつけるとパチパチという音を立てて、勢いよく燃えます。杉は、他の樹木より樹脂を豊富に含んでいるため、燃えやすい特性があるのです。

 屋久杉は、その一般的な杉の樹液の濃度に含まれる樹脂よりも7倍から9倍の樹脂を含んでいるといわれています。そのため、8mから10mもの降水量があっても腐さることなく生長し続けるといわれています。併せて、この濃度の濃さが害虫防止に役立っていることが明らかにされています。したがって、降水量が多く湿度が高いため、抗菌作用のある樹脂分が多くなり、腐りにくい特性をもつようになったのです。

 

 屋久杉は、屋久島の標高500メートル以上の山地に自生する杉で、樹齢が1000年以上のものを屋久杉といいます。樹齢1000年未満のものは小杉(こすぎ)というそうです。この1000年という文言もさっと看過してしまいそうですが、屋久島の降水量と同様に、捉え直す必要があると思うのです。昔は、今のように寿命が80歳以上ではなかったわけです。仮に、ご先祖様の寿命が70歳だったすると、1000年以上前は、私たちの祖先の14代以上前を意味します。1000年以上前の杉を屋久杉と呼ぶ、と言うのは簡単ですが、私たちのご先祖様の14代以上前から生き続けてきたことを考えると、畏敬の念を抱かざるを得ません。この事実が屋久杉を「長寿」の象徴として崇められてきたことに得心せざるを得ません。

 

 一般に、杉の樹齢は長くても400年から500年程度でいわれていることから、いかに屋久杉の樹齢が桁外れであるかが分かります。しかも、屋久杉の養分の源になる土壌は、そのほとんどが花崗岩でできています。養分の少ない花崗岩に生える屋久杉は、必然的に成長が遅くなり、年輪が詰まった状態になるのです。具体的には、屋久杉の年輪は1cmに10数本を数える程緻密です。一般的な杉は、樹齢200~300年で直径が1mを超えますが、屋久杉は直径が1mを超えるのに、1000年を要するのです。屋久杉がいかに悠久の歳月をかけて育つかが解ります。※写真2を参照。私が所有している屋久杉です。前述した年輪の細かさが分かると思います。推定樹齢は1500年です。この木材は、釣りのお守りNo.1に使用しました(写真2、写真3)。

【写真2 推定樹齢1500の屋久杉】     【写真3 左の屋久杉の年輪】

 

 これまで述べてきたように、屋久杉の自然環境はとても厳しく、その厳しい環境に順応するために屋久杉は様々な機能を身に付けてきたことが分かります。私は、世界遺産屋久杉家内安全のお守りPretty Canvasを製作していますが、屋久杉は1000年以上生き抜いてきた存在です。私たちのご先祖様の14代前から生きてきた存在です。私は、世界遺産屋久杉家内安全のお守りPretty Canvasを改めて丹念に創らなければならないと思いました。

 

世界遺産屋久杉家内安全のお守りPretty Canvasとは -その4- 屋久杉の歴史

 

 神社や神宮の建立や増改築、修理・修繕等に用いられる木材についても、「御神木」と呼ぶ風習がありますが、屋久杉は、1560年頃に現在の鹿児島神宮の改築にあたって伐採され、利用されたことが鹿児島神宮の石碑に刻まれているそうです。これが記録に残る初の屋久杉の伐採利用になります。

 

 また、豊臣秀吉が1587年の九州制圧後、島津義久に命じて屋久島の木材資源量の調査を行っており、1590年に大型船11隻が京都方広寺大仏殿造営のための屋久杉材を大阪へ運んだという史料が残されています。残念なことにウィルソン株はその際に切り出された屋久杉の切り株とされています。江戸時代に入り、屋久島出身で薩摩藩に仕えていた日蓮宗の僧で儒学者の泊如竹が屋久島の島民の貧困を目にして屋久杉の伐採を島津家に献策したとされ、1640年頃から山岳部奥地の本格的な伐採が始まった歴史的背景があり、それ以降、屋久杉は、薩摩藩の経済統制下におかれ、島民は薩摩藩に年貢として米の替わりとして屋久杉が買い上げられ、島民の収益となったそうです。

 

 一方、明治時代になると、1873年の地租改正で島の90%以上が国有地とされ、島民による伐採が制限されるようになりました。そして、1993年に屋久島が世界遺産に認定されたことをきっかけに、屋久杉の伐採に制限が設けられ、2001年から屋久杉立木の伐採は禁止されました。このことは、これ以上、屋久杉の丸太が木材として市場に回ることが、基本的にはないということです。屋久杉の伐採が終了した現在、土産物などの加工に使われている屋久杉は土埋木(どまいぼく)と呼ばれ、台風などの被害で倒木し、地面に埋まっている屋久杉のことを意味します。屋久杉は、腐りにくい性質があるため、完全に腐ることがなく、屋久杉の木材として使用できる部位が残されているのです。

 

 最後に、2年ほど前から世界的なウッドショックの状況にあります。特に、私が懸念しているのは、景気が回復傾向にある中国が日本の木材、とりわけ建築資材を買い占めている状況下にあります。そのため、日本の木材の価格が高騰し、住宅の価格が上昇しているそうです。加えて、日本の屋久杉業界でも伐採禁止以前の屋久杉の丸太や板材が中国によって高額で買い占められているという現状があります。私が屋久杉の取引をしている兵庫県の材木問屋でも、日本国籍を有する中国人が通常の3倍から4倍の価格で屋久杉の丸太を買い占め、中国へ送っている現状があります。

 

 「中国マネー」と呼ばれるほど莫大な資金をもつ中国企業。屋久杉が世界遺産であることに着目し、一気に買い占めようとする動きに出ています。希少価値が高く、高額な屋久杉です。それを通常の3倍から4倍の価格で買いたいと言われれば、売ってしまうのが世の常です。私が取引をしている社長さんいわく、「後、4,5年で日本の屋久杉は枯渇するだろう。」という言葉どおり、日本の屋久杉加工文化は衰退の一途をたどるような気が致します。とても悲しく、残念なことですがこれが時代の趨勢というものなのでしょうか。

 

 世界遺産屋久杉の木工美術作品Modern Art Yakusugiの作品を長く創り続けることができなくなることを考えると胸が締め付けられる思いがします。しかし、うつむいてばかりはいられません。残された時間を大切にし、一つ一つの作品を完全ハンドメイドで丹精込めて創ろうと思います。

 

【引用・参考文献】

屋久島民俗誌 宮本常一                  1974年  未来社

上屋久町郷土誌 上屋久町郷土誌編集委員会         1984年   屋久島町教育委員会

屋久町の民俗1.2  鹿児島大学法文学部文化人類学研究室  1987年   屋久島町教育委員会

屋久町郷土誌 第1巻 屋久町郷土誌編纂委員会       1993年   屋久島町教育委員会

屋久町郷土誌 第2巻 屋久町郷土誌編纂委員会       1995年  屋久島町教育委員会

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