御神木製釣りの御守SafetyFirstに真の絶望体験の意義を活かす

　今から遡ること約１６年前、鹿児島県の教育委員会から県の知事部局へ出向し、厚生労働省の管轄する児童自立支援施設で勤務することになりました。児童自立支援施設とは、児童福祉法で制定された施設であり、少年鑑別所や鹿児島地方裁判所から送致されてくる子供や児童相談所からくる子供たちの子育てのし直しをする場でした。

　疑似家族という形態をとり、私は父親役、寮母さんは母親役となり、子供たちがこれまでの成育環境で学んだ間違った考え方や礼儀作法、認知の在り方を治す治療の場でもありました。私は、大学院で心理学を学んでいたため、数多くの子供たちのカウンセリングに携わりながら、裁判所の調査官との難しい業務に携わっていました。

　少年期から青年期にかけて荒れていた私には子供たちの心情が良く理解することができ、子供たちから慕われることができました。

 

　その後、鹿児島県教育委員会の管轄である研究機関に出向し、学校長を初めとする先生方の講師や心に難しい問題を抱えて子供たちのカウンセリングを行いながら、自分の専門性を活かして学術的な研究に取り組んでいました。土曜日も日曜日もありませんでした。労働基準法の強化により、「早く帰宅させられる」ことを余儀なくされましたが、自室にこもって深夜まで質の高い仕事と膨大な量の仕事を任され、ストレスフルな毎日を過ごしていました。

 

　そして、今から１０年前に取り返しのつかない悲劇が起こりました。私は右椎骨動脈が破裂し、延髄梗塞となり、その４日後に、心肺停止になり、医師の懸命な措置により４分後に蘇生しました。その４分間の臨死体験については、以後のブログで紹介いたします。

 

　延髄梗塞により手足さえ動かせなくなった私は、医師と看護師の常駐するＣＣＵという部屋の医療用ベッドで治療を受けていました。施術台に近い順番に医療用ベッドは配置されます。私は、最も近い場所から移動するのにかなりの日数を費やしました。

　私は、初めて「絶望」の言葉の持つ意味を知りました。絶望とは、底がないのです。ここまでが絶望の穴である、というラインさえない。真の絶望とは、もう落ちるところまで落ちたという場所がないのです。私のそれまでに抱いていた夢も希望も喜びも私の手のひらから砂粒のようにさらさらとこぼれ落ちていきました。私の夢や希望は、波打ち際につくられた城だったのです。

 

　私は、人知れず泣きました。家族や友人がお見舞いに来たときは、強がりな私は「印象操作」するために、敢えて笑顔を絶やさず元気に振る舞いました。しかし、夜中になると悪夢を見て、目が覚めるのです。気付けば、私の両の目からは涙があふれていました。

　しかし、手足の動かない私は無力でした。涙さえ拭くことのできない人間になったのです。その想いがさらに

自己憐憫となり、涙のしずくがとまらないのです。その涙を看護師さんと介護士さんが気付き、温かいタオルで毎日のように拭いてくれました。その優しさと人を想う気持ちのあたたかさが今でも忘れらません。

 

　人は、人との相互作用の中で生き、時には苦しみと悲しみの中を生き、そして、人の優しさと愛情と人を想う気持ちの大切さを知りながら成熟していくものだと確信します。あの時の看護師さんと介護士さんの私に対する接し方や寄り添い方は、その人たちが人として成熟している証左なのではないかと思うのです。

　私の最大の教師は私のこれまでの人生の中にいる。したがって、私は絶えまない学びの中を生きているのです。

 

　この真の絶望体験の意味から学び取ったことを釣行安全と大漁祈願と交通安全を１つにした御神木製釣りのお守りSafetyFirstに活かさなければ、私の思念は御神木に入り込みはしないでしょう。大切なことはいつも目には見えません。心の痛みも体の痛みも。

　底のない絶望を味わった人を救うには、その人の心情に深く寄り添うことこそ肝要なのです。釣りのお守り御神木製現代アート作品に私が学び取った絶望体験の意義を込めてこそ、一心不乱に作品に向き合うことができるような気がしてなりません。

 

　釣行安全と大漁祈願と交通安全を１つにした御神木製釣りのお守りSafetyFirstには、私の絶望体験から学んだ価値あるものを注ぎ込んでいくと誓ったのです。

 

https://www.youtube.com/watch?v=hldvPOdJPhI