Modern Art Yakusugi先生曰く、大人として知っておくべき「無意識」の世界
Modern Art Yakusugi先生曰く、大人として知っておくべき「無意識」の世界
無意識とは、英語でunconsciousと言います。意味は主に2点あります。まず、第1点が医学や精神医学、心理学で用いられる「意識を失っている状態」のことをいいます。私が8年前に延髄梗塞で意識不明の重体になったときの状態を意味します。次に、2点目が精神医学や臨床心理学で用いられるようになった「現時点の心的過程や認識では、自覚できない、又は、意識することができない状態のことをいいます。
かしこまった表現を用いると、現時点で意識できることや認識(認知)できること、洞察や思考ができる状態を自我というならば、その自我では到底認識(認知)することや意識することができない領域のことを、無意識(エス)といいます。
前述した無意識を発見し、提唱したのが精神分析学を創始した知の巨人、ジークムント・フロイトです。19世紀から20世紀初頭にかけてフロイトは、精神医学の様々な学会でこの無意識について発表を積む重ねていきますが、当時の精神科医の学会はフロイトの発想を奇異なものとして非難しました。
しかし、フロイトの本能研究や生理的衝動研究、人間の有する精神機能の相互作用の研究によって、ようやくフロイトの無意識に係る研究は認められるようになります。ここで、フロイトが主張する厳密な「無意識」とか自我」と「超自我」の相互作用について言及することは敢えて横に置いておきたいと思います。あまりに難解で、ここに記述する意味がないからです。
本ブログの目的は、「無意識とは何か」について、噛み砕いて分かりやすく説明することにあります。また、そこが私の腕の見せどころだと思うからです。
フロイトの無意識に係る研究内容は質的に変容していきますが、それはさておき、無意識の根幹について説明いたします。
フロイトは「無意識」に関する研究の半ばで、人の心の作用には、①意識、②前意識、③無意識の3つの領域に分けて考えた方が論理的であることを力説しました。
①意識とは、今、まさに気が付いている心の状態です。
②前意識とは、今は気が付いていませんが、時間を費やして努めて思い出そうとすれば思い出せる心の状態です。
③無意識とは、催眠術や自由な連想法を用いない限り、その内容が意識にのぼってこないように深く、重く心の深層で抑圧されて続けている心の状態のことです。
精神医学や心理学、臨床心理学のテキストを見ると、よく「氷山🧊」
の絵が描かれています。
海水からとび出して目に見える部分の氷山が①の意識です。
波によって揺れる目に見える氷山とその際にある海面の上下運動によって、見えたり見えなかったりする部分を②前意識と捉えます。
そして、完全に目に見えない、視認できない海面に沈み込んだ氷山が③無意識となるのです。
テキストを見れば、氷山のように目に見える部分は小さく、目に見えない、つまり③の無意識の部分の氷山がかなり大きく描かれています。【写真1】
【写真1】
はてさて、
大学院生の頃、フロイトの原著を読んだことがあります。フロイトは、様々な表現を巧みに用いて、無意識の世界を表現することに努めていたことが伝わってきます。
その一つが、大雑把ですが、次のような内容でした。
あなたの心を家だと思ってください。あなたの心はひとつの家なのです。さて、夕方に夕食と入浴を済ませました。あとは、2階にある事実で寝るだけです。22時になりました。あなたは、就寝しなければなりません。そのために、ランプに火をつけてリビングから廊下に出ました。そのとき、ランプの灯りによって、リビングの中央とドアが見えます。
そして、ドアから廊下へ出て、2階の階段を上って行きます。その際に、ランプの灯りによって廊下と階段の手すりが映し出されました。そして、階段を上る際に、赤い絨毯と壁に掛けてある絵が見えます。2階に行くと、ランプの灯りによって2階の奥にあるあなたの自室のドアが見えます。
この「見える」部分やランプの灯りによって「映し出され、見ることができる部分」が①の意識なのです。
そして、そのランプの灯りに映し出される際の部分は、見えたり見えなかったりしてとても曖昧です。これが②の前意識なのです。
さらに、あなたの心は家だと言いましたね。あなたの心はひとつの家なのです。
ところが、ランプの灯りによって映し出される場所は、限られています。ランプの灯りによって見える部分は限られています。しかし、あなたの心の家には、キッチンもちゃんとあるのです。あなたの心の家には、お風呂もトイレも玄関もあるのです。確かに、確実にあるのです。
確実にあるが、見えない。
これが③の無意識なのです。はっきりとは自覚できなくても、確かにある。それが無意識だと考えてください。
後に、フロイトはユングやアドラーなどの精神科医によって、批判されますが、それはそれとして、私はフロイトが登場し、無意識の世界に光を当てなければ、精神医学と心理学の発展は遅れていたものと考えます。精神医学や心理学もまた、誰が正しいのかではなく、自分にとって必要な論理は何なのか?そこが肝心だと思うのです。
最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。感謝致します。
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